あなたは精神科のイメージで「怖い・仕事が大変・成長がない」と思っていませんか?
統合失調症やうつ病なども、現在では増加傾向になり身近な病気になっています。
精神科は心の病気を治すための診療科です。
精神科というのは特別な診療科ではなくて、現在では身近にある病気を診察する診療科です。

悪いイメージが多い気が…



そんなことないですよ!
誤解なんですよ~💦
精神科の世界を知ってほしいので、精神科で働いている私が精神科の実態を紹介します。
この記事を読んで精神科への興味を少しでも持ってもらえると嬉しいです。
- 精神科看護師の役割を知れる
- 精神科での年収を知ることができます
- 精神科での業務を知る事ができます
- 精神科でのメリット・デメリットを知ることができます
精神科看護師とは?


精神科看護とは、精神的健康について援助を必要としている人々に対し
個人の尊厳と権利擁護を基本理念として、専門的知識と技術を用い
自律性の回復を通して、その人らしい生活ができるよう支援することである。
日本精神科看護協会より
簡単に説明すると、精神の病気で治療や助けを必要とうする人に、その人らしさと法律での権利を尊重し
精神科での専門知識と技術で、自分の事を自分で出来るように回復させ、その人らしい生活ができるようにする。
それを援助するのが精神科看護師です。
精神科看護師の年収は?


精神科看護師の年収は、実は一般看護師の年収と差はありません!
夜勤も数回、月にするので手当は出ますし基本給でも差はありません。
厚生労働省が発表している、「令和3年賃金構造基本統計調査」によると看護師の年収としては
498万6200円になるので賞与が85万円、月収としては平均で34.4万円前後になります。
精神科看護師の年収は約30万円前後で、年収は約400万~500万円になります。
少しだけ低い理由として
- 時間外手当が付く残業が少ない
- 手術などの特殊な状況が少ない
- 医療的ケアが少ない
少しだけ低いですが、手当として認定看護師や危険手当などがあるため、一般看護師と差はありません。
必要となる資格は?特別な資格が必要なのか?


精神科看護師になるためには特別な資格の取得は必要なし!
必要となるのは、正看護師資格・准看護師資格さえあれば精神科での勤務は可能です。
新卒としても、患者さんの話を傾聴することが必要となるので学生の時に実習でしていた患者さんの近くで話を聞くという技術を活用できるのでおススメです。
患者は、精神科だけではなく内科や外科といった他の診療科にも存在します。
あなたが勤務している病院にもいますよね?
病気になり悩むことも多いでしょう。
その中で患者の話や悩み・考えをしっかり聞くことが出来るスキルは他の科でも通用する!
看護師に必要なスキルが身に付くと私は考えています。
具体的な業務内容は?
精神科ではどのような業務をしているんだろう?
精神科では主に心(メンタル)のケアがメインになっています。
医療行為が少ないのも特徴で、その代わりに心のケアや日常生活のサポートが援助の内容として多くなっています。
具体的に紹介していきます。
コミュニケーションでの「心のケア」
精神科で重要なケアとなるのは「心のケア」です。
精神科では統合失調症・うつ病・摂食障害・認知症・依存症などの多くの精神疾患は「心の病気」と言われ精神疾患を持っている方へ看護をします。
精神疾患を持つ患者さんは不安や不信が強く、治療を拒否される方も少なくはありません…
意思の疎通が困難なかたもいます。
そんな方に治療をしていくためには信頼関係は必要です。
ココロという目に見えず、確認がしにくい病気を治療するために、患者とのコミュニケーションを通して信頼関係の構築をし治療に協力してもらう必要があります。
だからこそ、精神科ではコミュニケーションを重要し、患者の訴えを傾聴することからが看護の始まりです。
話を聞くところから患者を知り、悩みを知り、共有することで信頼関係を築き、治療を共にしていくことが精神疾患の治療の始まりだと思っています。
患者の状態観察と異常の早期発見
精神科での患者の特徴として、訴えを伝えられない方が多い!という事です。
治療の拒否から嘘の申告をする方も少なからずいる為、精神症状から訴えているのか?嘘?の判断も必要になってきます。
だからこそ、通常とは違うサインを逃さないように入念な観察が必要となります。
言動の変化・行動の変化を日頃から観察し、いつもと違うことを常に気付けるようにしておかないといけません。
薬の管理・与薬・服薬の指導
精神科での治療においてメインとなる薬物治療。
薬物依存の場合は、過剰摂取や拒薬の人は飲んだと言い、トイレで吐き出す方も…確実な薬物治療を行うために看護師が服薬の管理をすることが重要となります。
治療のための薬をしっかり飲んでもらうためにも信頼関係の構築はここでも重要となります。
飲む薬だけでなく点滴なども薬の管理になります。
点滴は針を使用するので自分を傷つけてしまう病気の方へ行うときには防止のためにも、看護師が付き添い、自傷行為を未然に防ぐ必要があります。
日常生活の自立に向けたサポート
精神科では日常生活に復帰が出来るように、患者の状態により自立へのサポートを行います。
入浴介助や洗面・整髪などの生活介助やお金の管理・就労などのサポート、自立支援サポートです。
日常生活への復帰は精神科での課題でもあります。社会になじめず入退院を繰り返す人も少なくありません。
精神科では地域や自分の家などで、その人らしく生きていくためには自立が必要です。
日常生活と服薬・就労などができるようにサポート・指導して退院後の生活を目標に自立にむけた看護が必要となります。
1日の業務スケジュール
私の経験上での1日の業務スケジュールはこのような感じです。
日勤のスケジュール
08:00 出勤カルテなどから情報収集 | |
08:30 夜勤者から申し送りを受ける 職員での情報共有 | |
09:00 病棟内のラウンド (処置・検温・検査など) | |
11:00 午前中の記録 遅出へ申し送り | |
12:00 昼食介助 薬の与薬 | |
12:30 休憩 | |
13:30 昼礼 午前中の情報共有 | |
14:00 午後のラウンド開始 | |
15:00 おやつ配布や介助 | |
15:30 午後の記録 | |
16:00 業務忘れがないかの確認 | |
16:30 夜勤者へ申し送り | |
17:00 退勤 |
夜勤のスケジュール
16:30 出勤 情報収集 | |
17:00 申し送りを受け情報共有 | |
18:00 夕食介助 与薬介助 | |
18:30 病棟内ラウンド オムツ交換 | |
19:00 交代で休憩を取る | |
20:00 病棟内ラウンド 眠前薬与薬 | |
21:00 消灯 ラウンド | |
23:00 ラウンド | |
01:00 ラウンド 交代で仮眠 | |
03:00 ラウンド 交代で仮眠 | |
05:00 ラウンド オムツ交換 | |
06:00 ラウンド状態観察と記録 | |
07:00 記録漏れの確認 | |
07:30 朝の薬準備 | |
08:00 朝食介助と与薬介助 | |
08:30 日勤者への申し送り | |
9:00 退勤 |
あくまでも1例ですが2交代のスケジュールです。参考になれば。
精神科に向いている・向いていない人とは?
向いていないと感じる人
精神科で働くのに向いていないと感じる人は
- コミュニケーションが苦手
- 患者の言動を気にしすぎてしまう人
- 看護技術・知識に魅力を感じている人
援助のメインがコミュニケーションになる為、コミュニケーションが苦手な方は精神科に向きにくいかもしれません。
コミュニケーションは慣れてくればできますが患者とのコミュニケーションが苦手だとストレスを感じることもあります。
患者の言動を素直に受け気にしすぎる人もストレスを溜めやすい傾向にあります。
精神科では先進医療や看護技術に当たる機会は少ないため、自身の看護技術の向上や知識を増やしたいかたは向かないかもしれません。
向いていると感じる人
逆に精神科に向いていると感じる人は
- 人の話を聞くのが苦痛でない人
- 観察力があるひと
- 聞き流す技術がある人
- コミュニケーションが好きな人
- 精神的にタフな人
精神科では患者の話を聞く機会が多いので、人の話を聞くことに苦痛を感じず対応ができる人や日頃からの観察力があり日頃の違いに気づくことが出来る人。
暴言も浴びせられることもあるため聞き流す技術がある人も向いています。
コミュニケーションがメインとなる援助であるためコミュニケーションが好きな方は向いています。
根気強く患者と付き合うためにも精神的にタフな人も向いています。
精神科で働くメリット・デメリット


精神科で勤務するときのメリットとデメリットも知ってほしいので紹介します
デメリット
デメリットを上げると
- 医療技術・知識を新しく学ぶ機会が少ない
- 清潔の意識が低い患者もいるため不衛生な場面に合うこともある
- 自殺の現場に合う可能性もある
- 暴力・暴言を受ける可能性がある
精神科では医療行為が少ないこともあり新しい技術を学ぶ機会が少ないこともあり他の科への転職を悩む方もいます。
患者の特徴により清潔意識が低く不衛生な状況に合う事もあります。
また、精神状態が悪い患者によっては暴言や暴力を受ける可能性や自殺の可能性もあるため、精神科で働くには覚悟も必要になります。
メリット
もちろんデメリットだけでなく精神科ならではのメリットもあります。
- コミュニケーション能力が上がる
- 観察力が上達する
- 男性が多いため男性看護師は働きやすい
- 業務負担が少ない
- 残業も少なく定時で退勤できることが多い
- 人間関係が良い
精神科ではコミュニケーションがケアのメインになる為、毎日行うことでコミュニケーション能力が上達します。
観察は常に患者を観察することで日頃とは違う言動・行動に気を配らないといけないので観察力が上達する機会が多いです。
また男性看護師が多いのも特徴なので男性看護師は特に働きやすいと思います。
業務負担が少なくルーティンワークが多いので業務負担が少ない、残業も突発的な入院なども少ないので定時で退勤できることが多く家庭を持つ看護師にはおススメですよ。
人間関係においても、勤務する場所にもよりますが、看護師がコミュニケーションが得意な方も多いので人間関係は悪くないと思います。
まとめ
精神科看護師の実体験からあなたに知ってほしい精神科を紹介しました。
マイナスイメージだけではなく、看護師として必要なコミュニケーション能力や観察力・精神力を向上できる素敵な職場であることが伝わると幸いです。
新卒として精神科へ就職することに悩んでいる方にも人間関係で悩むことなく、人と接する基本的な姿勢や技術と傾聴の姿勢を学ぶことが出来る精神科。
また家庭を持つ方にも残業が少なくプライベートを充実することもできる環境もありますので是非、精神科に興味を持つことが出来たら精神科看護の世界へ進んでみてください。
精神科の仲間が増える事を心から願っています!
精神科への就職や転職は専門的なアドバイスなどを受けることで失敗することなく就職することができるように知識をもって行動してください。
私も転職経験がある為、そのときに活用したサイトを最後にご紹介します。
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